今回は南北首脳会談の件です。ここまでは想定通りの流れですし、重要なのはこれからになると思います。
【南北首脳会談】南北首脳が板門店宣言に署名 「核のない朝鮮半島実現の共同目標」 文在寅大統領は今年秋に平壌訪問へ(1/2ページ) - 産経ニュース

【高陽(韓国北西部)=時吉達也】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日、軍事境界線のある板門店(パンムンジョム)の韓国側施設「平和の家」で、韓国の文在寅大統領と会談し、「完全な非核化」を通じて「核のない朝鮮半島を実現する共同の目標を確認した」とする「板門店宣言」に署名した。

南北首脳会談は2007年10月以来10年半ぶり。同宣言は非核化の具体的な行程には言及せず、議論の場は6月初旬までに実施が見込まれる米朝首脳会談に移る。

両首脳は、年内に朝鮮戦争(1950~53年)の終戦を宣言し、現在の休戦協定を平和協定に転換するため、協定当事国の米中などを交えた会談を推進することで合意。文大統領が今年秋に平壌を訪問することや、5月以降、軍事境界線周辺の非武装地帯(DMZ)での敵対行為を禁止し、緊張緩和を図ることで一致した。

南北共同連絡事務所を北朝鮮の開城(ケソン)に設置することも決定。金委員長は宣言署名後の共同発表で、全ての合意について「徹底履行する」と強調した。

宣言文や共同発表で、北朝鮮による日本人拉致問題への言及はなかった。

重要なポイントとして、南北首脳会談で実質的に何も真新しいことはなく、韓国としては北朝鮮と宥和するということに関して同意しただけに過ぎません。以下の記事も紹介。
【南北首脳共同発表】鴨下ひろみ「演説台で金正恩は『非核化』と一言も言ってない。ひたすら民族の融和を強調しただけ。」 | Share News Japan

フジテレビ報道局編集長・鴨下ひろみ
「演説台で金正恩は『非核化』と一言も言ってない。ひたすら民族の融和を強調しただけ。文言も『朝鮮半島の非核化』で『北の非核化』では無いし、北が『具体的にいつまでに何をするか』一切触れてない」

現状、ゼロ回答ですし譲歩もしていません。具体的に北朝鮮が非核化の工程表も提示はしておりませんし、そもそも南朝鮮と会談して、非核化について語ることなどあり得ないわけで、ただの文在寅と金正恩の三文芝居といったところが実情だと思います。

そもそもなんだけど、金正恩は文在寅を交渉相手として見ていないです。ただのメッセンジャーとして利用しているだけなので、言質を与えるような発言はしないし、金正恩は狂人のように見える部分はありますが、現状は認識しており、一般的な感覚でいう部分では異なりますが、理知的な動きと見ていいと思います。親中派の処刑(マサオや張成沢など)についても、中国との主導権を握るために行ったもので、狂ってたわけではないわけですね。独裁者の心理として、自分以外の場所で物事を進められても困りますし、自身の身の保証は出来ないことからしても、習近平との窓口を作るためにやったというのが正しいところでしょう。

中朝首脳会談の様子。

【中朝首脳会談】習近平が金正恩に贈ったゴージャス過ぎる品々 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

金正恩氏が習近平氏と会わなくてはならなかった理由 - BBCニュース

ここで習近平と金正恩の力関係になりますが、北京に核を向けてるわけですし、そこまで言うほど、中国(北京)が優位な立ち位置とまではなっていません。

北朝鮮・核ミサイルの標的は「北京」(SBCr Online)

中国が恐れるトランプの経済侵略と北朝鮮「北京核テロ」の脅威=斎藤満 | マネーボイス

中国にとっての朝鮮情勢というのは、江沢民派(瀋陽軍区)を睨んだ内政といった一面もあるわけで、どのような形で主導権争いが出来るかといったところになります。アメリカの話になりますが、中国を睨んだ外交戦略として、中国内の対立とアメリカの共和党と民主党の対立構図と似通っております。価値観という意味合いでは、米中も似ている部分もあるし、日米で似ている部分もありますし、日中で似ている部分についてはまた然り・・・(苦笑)

江沢民派と米民主党とは関係しており、アメリカの内政でもあり、大統領の予備選を考えた場合、米民主党を弱体化させるためには、北朝鮮というのは一つのカードになるわけですね。ここらへんの構図というのは、日本にも共通しており、そういった軸で世界が動いてるわけですね。とはいっても、国益を実現させるためには、利害関係というのは必ずしも一致しているとは限らないわけで、そんなに単純な話ではないと思います。


ここで日本の動きなんだけど、マスゴミには蚊帳の外とか言われてますが、実質は黒子の存在であって、北朝鮮の制裁を強化すれば、北朝鮮がすがるのは韓国しかいないという状況になるし、ここらへんについては、10年以上前から議論された内容ともいえます。

第一次安倍内閣の日米安保で極秘交渉の内容となります。
68 韓国よさらば – 余命三年時事日記

「我々は日本側が一切の記録を残さないことを前提に提案を行う。米国は韓国に対し、過去、現在、将来の各種分析を行った結果、同盟国としては不適格との結論に達した。よって経済的には,スワップの延長停止をはじめとして積極的に関わる援助等は行わないことを決めた。軍事に関しては、最先端軍事技術の供与停止をはじめとして、軍事訓練等もそれを考慮して対応する。来る2012年米韓指揮権委譲後は速やかに在韓米軍の撤退をすすめ、統合司令部だけを残す予定である。その後の北朝鮮侵攻のような事態については、朝鮮戦争勃発当時とは大きく周辺国の状況が変化しているので、韓国の国防力と中国非参戦を考慮すれば米国や日本が巻き込まれることはないと判断している。原則、米国は介入しない方針だ。韓国との原子力協定改定を認めることはない。陰で核開発を進める国に核開発のお墨付きを与えるようなもので論外である。米中ともに朝鮮半島非核化を望んでいる。このままの中途半端な米韓同盟は北朝鮮の核武装を進め、それはIAE脱退による韓国の核武装と必然的に日本の核武装につながる。米国が半島から手を引いて日本とともに第一列島線防衛に専念することは両国にとっても多くのメリットがあると考える。半島は中国の影響を受け韓国は半属国となるであろうが、即、侵攻、占領のパターンは考えにくい。韓国が国として存在するならば中国は北朝鮮と韓国に自国の安全保障上、絶対に核を持たせないであろうから半島は非核化されるであろう。ついては事実上、敵となる韓国と直接向き合い対峙することとなる日本に対し、米国は以下の対応をとる。まず日米安保の密接強化。軍事共同訓練の強化。日本の防衛力強化への協力。また戦後の軍事産業にかかる制限や規制を原則解除、容認、黙認することとする。米国は直接の脅威となりうる原潜と大陸間弾道弾は認めないがそれ以外は注文をつけない。日本の国内事情が許せば、中国に対する抑止力の範囲で核弾頭を売却してもよい。日本が軍備増強し、中国に対する核抑止力を持つことはアジアの平和、世界の平和につながると我々は確信している。日本はこの提案を踏まえて適切な対応をとられたく思う」まさに驚愕メッセージ。これは2007年と思われるが、当時はもちろんのこと、現在であってもこんなものが明るみに出れば国内大混乱となるでしょうな。

結局は共通点として韓国切り捨てだけは利害関係は一致しているわけですね。北朝鮮が非核化するためにそこらへんの背景を考えると、南北首脳会談に対して何の意味はありませんし、朝鮮半島非核化のための利害関係を考えたら、こういった内容にしかならないと思います。

西北南朝鮮共通して言えることとして、占領のメリットはなく、場所は欲しいが人は欲しくないというのが、半島情勢の基本とも言えるしねwwwそういう意味では、南北首脳会談でどう転んでもいい話で、日米中で圧力を加える&ロシアの黙認もあれば、向かう方向性は限られてくると思いますね。こういった環境で行われた三文芝居に歴史的なものを感じるとは思えないし、そう思うなら病院に行くことをオススメしますね(笑)