今日は加計学園の件です。

加計学園の以前の記事。

加計学園の件|ぱよぱよ日記
【閉会中審査】自民・石破茂氏「与党がヨイショしていると、見ている人は『何なんだ』と思う。真実を明らかに」と注文 安倍晋三首相には丁寧な答弁を重ねて要請 - 産経ニュース

自民党の石破茂前地方創生担当相は20日、学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画などをめぐり衆参両院の予算委員会の閉会中審査に出席する安倍晋三首相に対し、丁寧な答弁に努めるよう重ねて要請した。国会内で開いた石破派会合で「質問者の向こうに国民がいることを決して忘れないでもらいたい。国民に『よく分かった』と言ってもらえるかにかかっている」と述べた。

石破氏は与党にも注文を付け「与党がヨイショみたいな話をしていると、見ている人は『何なんだ、これ?』と思う。真実を明らかにするということでやってもらいたい」と強調した。

石破氏はこういってるようですが、安倍首相が答弁するまでもなく、既に何の問題点もないのに何を言ってるんだか??このような主張はありですが、報道しないメディアに対して苦言を言わないと、正論であってもただの詭弁になるだけです。

まずはこちらを紹介します。

【加計学園 行政は歪められたのか(上)】新設認めぬ「石破4条件」は獣医師会の政界工作の「成果」だった! 民主党政権でも献金攻勢… - 産経ニュース

【加計学園 行政は歪められたのか(中)】日大総長「加計にろくな教育できっこない」 愛媛知事「じゃあ、あなた作ってくれるか?」 - 産経ニュース

【加計学園 行政は歪められたのか(下)】文科省はサボタージュで抵抗しただけ…挙証責任果たせず「白旗」 「ご意向」文書の真意とは? - 産経ニュース

以下の記事も紹介します。

ちゃんとわかりたい人のための前川問題 -加計問題にみる政官関係― part 3 - 宮本融政治経済研究室

加計学園問題の経過を紹介します。



以下の時系列も追加します。

加計学園 獣医学部開設 - 時系列まとめ


背景として、日本の大学に50年以上も獣医学部が新設されておらず、その原因の一つとして、許認可権を持つ文科省が、告示で門前払いしてきたことにあります。定員は1980年代から930人で固定されており、新規加入が出来ない状況にありました。

旺文社 教育情報センターの資料も分かりやすいのでご紹介します。

・岡山理科大が52年ぶりの「獣医学部」新設目指す!
http://eic.obunsha.co.jp/resource/viewpoint-pdf/201702.pdf


あとは獣医学部の地域分布を紹介します。


比率:西日本(岐阜まで):195(21%) 東日本:735(79%)

相関図についてはDAPPI‏さまの以下のツイートを紹介します。

ttps://twitter.com/take_off_dress/status/887966746589577217


獣医学部が50年以上新設されず、定員も40年以上は930人で固定で、地域分布としても東日本に8割くらい存在しており、地域的にも疎らとみていいし、行政が歪められたというより、この地点で歪んでいたと考えていいと思います。

小泉内閣時の2003年4月に構造改革特別区域というのが始まりました。そしてこの構想を利用して、2007年に構造改革特区を活用した獣医学部新設を提案(設置予定母体:加計学園)するが却下されております。そして2009~10年の鳩山内閣時に実現に向けて検討という方向に格上げされます。2013年に国家戦略特区法が成立し、2015年6月に国家戦略特区制度を活用した獣医師学部の新設の提案を行い、当時の内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域)、地方創生担当大臣の石破氏によって、獣医学部新設としての石破4条件が閣議決定されました。その内容は以下となります。

(1)現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化
(2)ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らか
(3)既存の大学・学部では対応が困難な場合
(4)近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討

これは以下の観点からとなります。
ちゃんとわかりたい人のための前川問題 -加計問題にみる政官関係― part 3 - 宮本融政治経済研究室

① 感染症対策や生物化学兵器に対する対応などの「新たなニーズ」が明らかであること。(上記②に対応)
② それが現在存在する国公立・私立の獣医学部や獣医学科では対応が困難であること。(上記③に対応)
③ 特区として開設を希望し、提案する主体が「このようにして従来の獣医学科とは異なる教育を行う」というカリキュラム内容や、それを行うに相応しい教授陣などの陣容を具体的に示すこと。(上記①に対応)
④ 現在不足が深刻化している牛や馬、豚などの「産業用動物」の治療に従事する獣医の供給の改善に資すること。(上記④に対応)

(中略)

①は主に厚生労働省が、②と③は文部科学省が、④は農林水産省がそれぞれの専門的知見から当事者の主張を聞いて意見を述べ、これらをもとに国家戦略特区認定に権限を有する内閣府が、その責任において判断したことなのでしょう。

石破4条件の背景は、平成27年度 第4回理事会(獣医師会) の議事録にあります。

http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06811/a2.pdf


自民党が政権奪還した直後の2012年12月に獣医師会から石破に献金しているようです。
【加計学園 行政は歪められたのか(上)】新設認めぬ「石破4条件」は獣医師会の政界工作の「成果」だった! 民主党政権でも献金攻勢…(3/4ページ) - 産経ニュース

北村と石破は昭和61年の初当選同期。しかも政治改革などで行動をともにした旧知の間柄だ。日本獣医師政治連盟は自民党が政権奪還した直後の平成24年12月27日、幹事長に就任した石破の「自民党鳥取県第一選挙区支部」に100万円を献金している。

あとはこちらも紹介します。
648 : 名無しさん@涙目です。(チベット自治区)@\(^o^)/ [CA] 2017/07/16(日) 17:12:45.61 ID:aIBeKgSp0
*公益財団法人・ 動物臨床医学研究所
http://www.dourinken.com/introduction/syoukai.html

顧問: 石破茂 ←←
理事長: 山根義久 ←前獣医師会会長

*人と動物の会
http://www.haac.or.jp/member.aspx

顧問: 石破茂 ←←
理事長: 山根義久 ←前獣医師会会長

https://ja.wikipedia.org/wiki/日本獣医師会
https://ja.wikipedia.org/wiki/山根義久

背景を見る限り、石破4条件というのは、石破へ献金して、獣医学部新設のハードルを上げるために作られたものと推察されます。民進党の玉木や陳などへの献金もありましたね。個人的には、石破4条件の「(3)既存の大学・学部では対応が困難な場合」と地域の歪みを考えると正当性のある内容とは言い切れないと思います。

【加計学園】獣医師不足、悩む地方 四国は獣医系大学ゼロ - 産経ニュース


続いては加戸前愛媛県知事と前川前文部科学事務次官。


獣医師の需要については、こういった事情がある。
【加計学園 行政は歪められたのか(下)】文科省はサボタージュで抵抗しただけ…挙証責任果たせず「白旗」 「ご意向」文書の真意とは?(2/5ページ) - 産経ニュース

文科省は、農林水産省による獣医師の需給推計を根拠に「獣医師は足りている」として学部新設や定員増を拒み続けてきた。

八田はこれを逆手に取った。日本再興戦略を読み解いた上で「成長戦略につながる高度な研究や創薬など新たな部門に携わる獣医師の需要が明らかになれば、クリアできる」と理屈づけたのだ。

しかも日本再興戦略では「28年3月末までの検討」を農水省や文科省に義務づけた。八田はこれこそ最重要ポイントと考え、WGは両省に「再検討」を求めた。

だが、ここから文科省は猛烈なサボタージュを始めた。八田は内閣府を通じて文科省に検討状況を何度も尋ねたが、期限である「28年3月末」が過ぎても明確な回答はなかった。結局、WG会合が開催されたのは、期限の半年近く後の同年9月16日だった。

文科省が獣医師の需要に関する見解を出さなかった(出せなかった)ことから、政治的に文科省が敗れて、2016年9月にワーキンググループで獣医学部の新設方針が決まったわけです。ここに安倍首相が関与する必要も理由もないことがどこにあったのか分かりません。逆に安倍首相のお友達だからという疑獄??を行わないといけない理由などないと思うけどね。

その後に「総理のご意向」とか「官邸最高レベル」とかいうメモが出回りました。この地点で、文科省が獣医師の需要に関する見解を出さなかった(出せなかった)ことに関する敗因隠しのために、組織の体裁を口実として、「総理のご意向」とか「官邸最高レベル」などのメモが作られました。これが加計文書の正体となります。ここで課長補佐が関わってきますが、課長補佐の独断でサボタージュした可能性は低く、文科省や農水省で検討は行ったが、WGに対して理論武装出来るだけの材料がなかったことから沈黙を保ったわけです。その上での言い訳メモであったことから、「総理のご意向」とか「官邸最高レベル」を理由に正当化したものを内部共有したというところで、外部に出ることを想定しておらず、内部解決を目的としたものだったと思うんだけどね。そういう意味でも、このようなものが外部に漏れることは、想定出来なかったのではないかと思います。こないだの閉会中審査で外部におもらししたのが、前川元事務次官であるかという質問について否定しなかったことから、前川が内部向けのデータをおもらしした可能性が高いと思います。そういう意味では、課長補佐も被害者と思うけどね。

その後については、単純な話で獣医師会としても国家戦略特区において、獣医学部の新設は避けられないと踏んで、広域的に獣医学部のない地域だけ新設を認めるという落とし所で解決させたかったというのが、一つの判断とも言えるわけです。「獣医師会がまた厳しいことを言ってくる可能性がある。ニーズの高い地域に絞ることで反対勢力と合意しやすくしよう」ということで、獣医師会の政治力のすさまじさから、山本幸三地方創生担当相が「早く岩盤規制を突破するには仕方ないな」という理由で飲んだといった話です。

京都産業大の件もあるけど、これは相応の準備が出来なかったから断念しただけの話です。
京都産業大:獣医学部の新設断念 特区活用で計画  - 毎日新聞

京都産業大(京都市)は14日、記者会見を開き、国家戦略特区を活用して計画していた獣医学部の新設を断念すると発表した。黒坂光副学長は、政府が決めた2018年開設のスケジュールについて「準備期間が足りなかった」と述べ、「国際水準に資する教員の確保が極めて難しい」として、将来的にも開設を目指す考えがないことを明らかにした。

京都産業大(京都市)は14日、記者会見を開き、国家戦略特区を活用して計画していた獣医学部の新設を断念すると発表した。黒坂光副学長は、政府が決めた2018年開設のスケジュールについて「準備期間が足りなかった」と述べ、「国際水準に資する教員の確保が極めて難しい」として、将来的にも開設を目指す考えがないことを明らかにした。

実はここの地点ではそこまで問題はなかったと思うわけです。ただ倒閣の口実として利用されたことと、マスゴミの報道しない自由などによる印象操作によって、何も問題がなかったことを延々と喚いてるというのが現状とも言えます。